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科学的に考察する 〜バッティング 飛距離編〜 を解説していきます。

野球をやっている人なら誰でも一度は夢を見る「ホームラン」ですが、そのホームランを打つには「飛距離(遠くへ飛ばす)」を出さなければなりません。

一般的にはパワーが必要と言われていますが、筋肉ムキムキで打てるなら誰も苦労はしないでしょう。

そこで今回は、一般論ではなく「科学的な理論と根拠」に基づいて飛距離を出す方法を具体的にご紹介していきます。

 

  バッティングの前の基本をご覧になっていない方はコチラからお読みください。

 

バッティング〜フォーム編〜はコチラ

 

化学的考察シリーズ『打撃編』はコチラ

 

ボールを遠くに飛ばすためには…

まずボールを遠くに飛ばすために「一般的に言われる」必要なことを考えてみましょう。

※ ここではパワー(力)は除外して考える。

  • スイングスピード(ヘッドスピード)
  • 弾道(打球の角度)
  • 打球スピード
  • インパクトポイント(飛ばす方向)

 

以上の4つが飛距離を出すために一般論でよく語られる項目であるかと思います。

それでは、各項目を細かく解説していきましょう。

※ これからの解説は、両翼100m、中堅125mの球場で、硬式ボールを使用しているという定義で進めていきます。

 

弾道(打球の角度)

弾道は高すぎるのも、低すぎるのもダメでちょうどよい角度というものがあります。

その、ちょうどよい角度というのは約30度という研究結果が出ています。

 

打球の角度(度)10°20°30°40°50°
平均飛距離(m)50m〜60m75m〜80m90m〜100m80m〜90m約60m

上記の表は打球角度が低い程ゴロやライナーになり、角度が大きい程フライを表しています。

30°以上になりすぎると高く上がりすぎてしまいボールが遠くへ飛ばない、逆に30°より小さければ、ライナーやゴロになってしまい遠くへ飛ばないというのが分かる研究結果になっています。

 

上記の通り、約30°という角度が平均的に一番ボールが飛ぶ角度と言えることが分かりますね。

 

30°の角度で打つためのインパクト

それでは約30°の弾道を生み出すためにはどのようなインパクトが必要になるのか?という事が重要になります。

ボールのインパクトが上すぎるとゴロになり、下すぎるとフライになるという事は皆さん承知だと思いますが、では 正確に何mm下を打てば約30°という弾道になるのかという結論が必要になります。

これも研究結果が出ており、下表をご覧ください。

 

打球の角度(度)10°20°30°40°
インパクト位置(mm)約7mm約12mm約15mm約20mm

上記の表はボールの中心の何mm下をインパクトした時に、◯度という角度でボールが飛んでいますよ!という平均数値を表した図になります。

ボールの中心の15mm下をインパクトすると、一番遠くへ飛ぶ約30°の角度になりやすいという事が見てとれるかと思います。

 

硬式ボールの半径は37mmのため、15mm下というのは中心から約40%の位置を表しています。

 

しかしあくまで平均値であるということで、前後5mmほどはバラツキもあるわけです。

その理由として、インパクト直前のスイングの角度、つまりアッパースイングやダウンスイングなどのスイングの種類によって影響があるからです。

 

つまり、打球飛距離の最大化の条件として、

野球小僧野球小僧

ボールの中心から15mm下を、アッパースイングでインパクトすること!

が結論づけられます。

 

打球速度と飛距離の関係

前述した条件の球場でホームランを出すために「どれだけの打球速度が必要なのか」を考えていきましょう。

これも研究結果が出ているのでご紹介していきます。

 

打球速度(km)100km110km120km135km145km155km
打球飛距離(m)約70m約80m約90m約100m115m約125m

上記の表のように、飛距離を出すには打球速度が必要であるということが分かるかと思います。

最低でも100m飛ばすには打球速度が約135km、125m飛ばすには打球速度が約155kmが必要であるということです。

 

そうすると、135kmと155kmの打球速度を出すためには、どれだけのスイングスピードが必要なのか?という疑問が湧いてきますね。

それでは、次章で解説していきましょう。

 

スイングスピードと打球速度の関係

スイングスピードと打球速度の関係を見ていきましょう。

ここで言うスイングスピードとは「ボールのインパクトの直前までのヘッドスピードのこと」と定義して解説します。

それでは下表をご覧ください。

 

ヘッドスピード(km)110km120km130km140km
打球速度(最大km)約140km約150km約160km約168km

上記の表を見ると、ヘッドスピードが大きいほど打球速度が大きくなっているのが分かりますね。

ただしこの表は、バットの芯で捉えた最適のインパクト時の最大打球速度となっているため、打ち損じなどは値に含まれていません。

 

つまり結論は、

  • 135kmの打球速度を出す場合必要なヘッドスピードは約110km
  • 155kmの打球速度を出す場合必要なヘッドスピードは約130km

 

以上のヘッドスピードが必要であるということが分かります。

 

弾道と打球スピードの関係

これまで、

  1. 必要な弾道(打球の角度)は約30°
  2. インパクト時はボールの中心の15mm下を叩く
  3. 打球スピードと飛距離の関係(打球速度が上がれば飛距離も伸びる)
  4. スイングスピードと打球スピードの関係(スイングスピードが上がれば打球スピードも上がる)

 

以上の結論が出ています。

飛距離について議論するなら、ここで後一つ「弾道と打球スピードの関係」を明確にしておかなければなりません。

要は、打球が30°で飛んだ場合、打球スピードは最大に達するのか?ということを確認しなければならないということです。

下表をご覧ください。

 

打球スピード(km)110km120km130km140km
弾道(角度°)約50°約40°約30°約20°

上記の表を見ると、打球スピードが早い140kmのときの弾道は約20°になっていますね。

つまり、打球スピードが最大化しているのは「ライナー性の打球のとき」ということなんです。

一方で飛距離が最大化する弾道30°のときは打球スピードが130kmとマイナス10km落ちていることが分かります。

 

このことから導き出されることは、

野球小僧野球小僧

ホームランのような弾道の時ではなく、ライナー性の弾道の時が、最も打球スピードが早い

ということになります。

 

まとめ

今までの考察のまとめを見てみましょう。

  • 必要な弾道(打球の角度)は約30°
  • インパクト時はボールの中心の15mm下を叩く
  • 打球スピードと飛距離の関係(打球速度が上がれば飛距離も伸びる)
  • スイングスピードと打球スピードの関係(スイングスピードが上がれば打球スピードも上がる)
  • 弾道と打球スピードの関係(ホームランよりライナー性の打球が一番早い)

ということになりました。

 

このことから最終的な考察として、

100m飛ばす場合、スイングスピードは最低でも110km必要!

125m飛ばす場合、スイングスピードは最低でも130kmは必要!

 

という結論に達します。

ただし、ヘッドスピードはインパクトポイントを前(投手側)においた方が大きくなる傾向にあるので、引っ張る場合ほどヘッドスピードが速くなりやすく、飛距離も大きくなりやすいです。

 

つまり、上記のスイングスピードでボールの中心15mm下を叩けば、理論上は誰でもホームランが打てるということですね。

ちなみに110km程度のスイングスピードであれば、成人男性なら大体クリアできる速度です。

ということは、ホームランを打つのに最も重要なのは筋肉やパワーではなく、スイングの質やインパクトのミートの確率というのが最も大切である!ということなんです。

 

ですから、当ブログでも何度も言っていますが「基本が大事」なのです。

以上のことを踏まえて、日頃からスイングの質を上げるようにしましょう!

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